beyerdynamic DT 770 PRO X
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概要DETAIL
何十年もの間、DT 770 PROはその独自のサウンドシグネチャーでプロフェッショナルに信頼されてきました。オーバーイヤー・クローズド型のDT 770 PRO Xはその系譜を受け継ぎ、力強い低音、繊細な高音、優れたインパルスレスポンスを実現。密閉型の設計により、録音やモニタリングにおける頼れるパートナーとなります。柔軟性と高性能を兼ね備えたスタジオクオリティを体験してください。インスピレーションが湧き上がることでしょう。
編集部講評REVIEW
Beyerdynamicの創業100周年を記念して2024年に限定発売された密閉型ヘッドフォン。外観や基本設計は旧来のDT 770 PROを踏襲しながら、上位機のDT 700 Pro Xと同じSTELLAR.45ドライバーを搭載し、インピーダンスを48Ωに抑えることでアンプなしでも十分に鳴らせる設計になっています。最大の改良点は着脱式ミニXLRケーブルの採用で、旧DT 770 PROで長年の不満だった非着脱ケーブルの問題がこの機種でようやく解消されました。 低音は量感・質感ともに及第点以上です。サブベースの伸びがしっかりしており、電子音楽やクラシックロックでの低域の圧力は心地よく感じます。ベースラインの輪郭もきちんと立ち、低音が膨らんで中域を侵食するような崩れもありません。ただし低域が強いトラックでは「ボリューミーすぎる」と感じる場面もあり、すべての楽曲でフラットな低音表現とは言えません。 中音はこの機種を語る上で外せない弱点です。V字型のチューニングにより中域全体が引っ込む傾向があり、男性ボーカルは厚みが出にくく、女性ボーカルは線が細く鋭く感じられる場面が目立ちます。楽器の細部描写自体は優秀なのですが、ボーカルが引っ込んだ位置に定位するため、歌を前に出して聴きたいリスナーには根本的に合わない音のバランスです。 高音は非常に明るく、延伸感・解像感ともに優れています。STELLAR.45ドライバーが生む高域の情報量は価格帯の水準を上回り、シンバルやハイハットの細かなニュアンス、弦楽器の倍音成分もクリアに再現されます。ただし、一部帯域が突き出る「Beyerdynamic特有の明るさ」は健在で、長時間の試聴では高域の疲れを感じるリスナーが出てきます。録音の明るさやトラックの性格によって快適さが大きく変わる点は覚悟が必要です。 解像度・音場・分離感は密閉型としては水準以上です。STELLAR.45ドライバーの過渡応答の速さが細部描写に貢献しており、複数の楽器が重なる場面でも混濁しにくい分離感があります。音場は密閉型として広く、ゲームでの定位確認やミックスのモニタリング用途にも対応できます。一方、高域の強調で音像の一部が前方に引っ張られる傾向があるため、完全に立体的な空間表現とはやや異なります。 筐体はプラスチック主体でイヤーカップの質感はやや安価な印象を受けますが、ベロア素材のイヤーパッドは長時間装着でも蒸れにくく、ヘッドバンドのクッションも充実しています。本体重量305gは密閉型として標準的な範囲内です。遮音性は16dBの受動遮音で、エアコンやPC冷却ファンの音はある程度カットできますが、外出先の騒音をしっかり遮断するほどの性能はありません。 総評: beyerdynamic DT 770 PRO Xは、ゲームや電子音楽・クラシックロックを明るくダイナミックに楽しみたいリスナーに向いています。密閉型としては広い音場と高い解像度を備えており、競技ゲーミングや簡易モニタリング用途にも対応できます。一方、ボーカル主体のポップス・ジャズ・アコースティック音楽を中心に聴くリスナー、および高域の疲れを感じやすいリスナーには根本的に合わないチューニングです。イコライザーで中域を+3〜4dB持ち上げると大きく化ける素地がありますが、素のまま使う場合は中域の薄さと高域の明るさをあらかじめ許容できるか確認してから購入を検討してください。限定品のため市場在庫の減少と価格の変動にも注意が必要です。
— Gadgetal編集部
スペックSPECIFICATIONS
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