BINARY 1900
リンクの他に違うバージョンがある場合がございます。スペックの違いにご注意ください。
概要DETAIL
Binary Acousticsは、最新作「Binary 1900」を発表し、音楽愛好家の常識を覆そうとしています。映画の傑作「1900年の伝説」にインスパイアされたこの革新的なIEMは、映画の主人公の深い感受性、感情、そして天賦のピアノ演奏への美しいオマージュとなっています。内部には、ダイナミックドライバー1基、パッシブラジエーター1基、バランスドアーマチュアドライバー4基を左右に搭載した、洗練された6ドライバーハイブリッド構成を採用。Binary 1900は、音楽性を再定義し、映画のような魅力をあなたの家にもたらす、鮮やかで生き生きとしたサウンドをお約束します。
長所
- +パッシブラジエーターを組み合わせたハイブリッド構成ならではの、余韻に重みのある独特の低音
- +複雑なアレンジでも各楽器に固有の居場所があり、聴き込むほどに音の整理の良さが分かる分離感
- +上中域を抑制したチューニングにより、ボーカルが張り出さず自然な距離感で聴ける
短所
- -低音のアタックが丸みを帯びており、速いベースラインでは音の輪郭が若干ぼやける
- -ケーブルがモジュラー非対応で、この価格帯の主流から一歩遅れている
- -ベント型設計のため、完全密閉型に比べて遮音性が落ちる
総合レビューREVIEW
Binary Acousticsの1900は、1DDとパッシブラジエーター、そして4BAを3-wayクロスオーバーで束ねたハイブリッド機です。フェイスプレートは316Lステンレス製で、ジュゼッペ・トルナトーレの映画「ある天才ピアニストの一生」に由来する命名が示すとおり、音楽記号とピアノをモチーフにした彫刻が施されています。他のIEMで見かけるSF的な幾何学模様や宝石散りばめ系のデザインと一線を画す、落ち着いた佇まいです。 パッシブラジエーターをIEMに積む——そのスペックを見た時点で、音より先に「どう鳴るのか」という興味が湧きました。Bluetoothスピーカーに使われる仕組みを耳の中に収めるとはどういうことか…まず、この機種で一番語りたいのは、中音の整理の良さです。複数パートが重なるサビでも、ギター・鍵盤・コーラスそれぞれに固有の居場所があって、聴き込むほどに背景の音まで追いやすくなります。これは「解像度が高い」という言葉では足りなくて、音が整然と並べられていると言う方が近い感触です。しかも、その整理の良さが「解析的でクリーン」な方向ではなく、有機的なtimbreに乗っているのが面白い。男性ボーカルはのどに力のある存在感があり、女性ボーカルは高さと明瞭さを保ちながら「鼻先3センチ」に迫るような圧迫感がない。上中域がやや引っ込んだチューニングのおかげで声が自然な距離感に収まっているからでしょう。 ギターやストリングスの「切れ味」や「即物感」を求めると、その引っ込み加減で若干の物足りなさはあります。アタックの鋭さより、音のボディ感が優先された味付けなので、弦楽器が主役のアコースティック編成を長く聴いていると、音の輪郭がもう少しはっきりしてほしい場面が出てきます。 低音はキックの余韻がズシっとくる重さで、量感は本物です。パッシブラジエーターがどこまで効いているか正直なところ分かりませんが、アタックの強さというよりも打鍵の後に残る余韻の重みに個性があります。中音域への染み出しがほぼなく、量感があっても煩くなりません。一方で、速いベースラインが続くEDMやメタル系の楽曲では、ノートの立ち上がりが若干ゆったりして音の粒が追いにくくなる瞬間があります。Punch Audio Martilloのように低音の絶対量を最大化した機種と比べると量では及ばないものの、あちらとはまた違う低域の質感があると思います。 高音は明るすぎず暗すぎず、ちょうどいい位置に収まっています。シンバルのクラッシュが自然に広がり、高域楽器の定位がすっきりしていて、音場に余白が感じられます。ただしここが本機の主役ではなく、輝きより整合性の方が優先されている印象です。音場については平均より広く、高さと幅に加えて奥行き方向の立体感があり、音が左右に張り付くだけでなく前後の距離感も掴みやすいです。 シェルは3D造形のレジンでセミカスタムに近いラウンドフォルム。ステンレスのフェイスプレートがあるぶん、軽量レジン一体型のIEMよりわずかに重みがありますが、長時間の使用でも不快になる重さではありませんでした。ケーブルはシルバーメッキOFCで、取り回しがよくケーブルの擦れ音もほぼ気になりません。ただしモジュラーではないので、バランス/アンバランスを両方使いたい場合は交換が必要です。ベント型の設計上、遮音性は完全密閉のオールBAモニターより下がりますが、通勤や室内使用では問題のない水準です。 総評:中音とボーカルを主役に、楽しさと解像感をうまくまとめた機種だと思います。「音楽的に聴こえる」という表現が当てはまる数少ないIEMで、有機的なtimbreと整理された分離感の組み合わせは、この価格帯で得られるものとして十分に説得力があります。低音のアタックの甘さはトレードオフであり、ベースラインの速い音楽を中心に聴く方には合わないかもしれません。ボーカルが前に出て打ち込みの低音が厚いJ-POPやR&B、ジャズトリオのような編成であれば、本機の持ち味が素直に活きる組み合わせです。同ブランドのEP321より明確に上にある仕上がりで、中音の密度とまとまりを重視するなら候補にあげたい一機です。
— Gadgetal編集部
スペックSPECIFICATIONS
各カテゴリーのデータベースDATABASE
同価格帯でよく比較される製品
価格帯が近く、傾向の似たモデル
IEM ★ 7.0
IEM ★ 7.5
IEM ★ 7.4
IEM ★ 7.4
IEM ★ 7.4
IEM ★ –
IEM ★ –
IEM ★ –
IEM ★ –
IEM ★ –