SIMGOT EA500
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概要DETAIL
EA500は、10mmのデュアル磁気回路とデュアルキャビティドライバーを採用しています。 ダイナミックヘッドホンで一般的に使用される「内部磁気」または「外部磁気」の2つの単一磁気回路形式とは異なり、EA500のデュアル磁気回路システムは内部と外部の両方の磁気回路を提供します。 N52マグネットと組み合わせることで、強力な磁場と驚くべき性能を発揮します。
編集部講評REVIEW
10mmデュアル磁気回路とDLC複合振動板を組み合わせたダイナミックドライバーを1基搭載し、亜鉛合金の金属筐体を纏った実売約11,000円の有線イヤホンです。2種類の交換式ノズルによるサウンドチューニング機構を備えており、同社のEAシリーズにおける入門機として高い人気を博しています。 箱から取り出して手にした際、冷たさとズッシリとした重みが指先に伝わってきたのが第一印象でした。この価格帯だと樹脂製筐体が多いなか、全体が丁寧に磨き込まれた金属で覆われており、装着する前の段階からモノとしての手触りの良さを実感します。 低音域は量で押すタイプではなく、アタックの鋭さとキレの早さに特徴があります。バスドラムが打たれた瞬間に硬めの衝撃が立ち上がり、音の周囲に無駄な余韻を残さず短時間で収まっていきます。地響きのような重低音の深みを求める用途には向きませんが、テンポの速いロックやジャズのベースラインをすっきり追いたい場面では、低音が他のパートに覆いかぶさらない良さが生きてきます。 中音はボーカルが1歩手前に配置される距離感で、息遣いまで自然に聞こえてきます。声の帯域に低音が被ってこないため、男性・女性問わず歌声の輪郭が実にクリアです。打ち込みのベースとボーカルが重なるアニソンやポップスを鳴らしても、歌声が埋もれずに前へ届きます。下中域の響きがややあっさりしているため、男性ボーカルの低い温かみを重視する方には少しスリムに感じるかもしれませんが、声の輪郭をハッキリ捉えたい時には頼もしいバランスです。 高域は非常に明るく、全体の音印象を引っ張っています。シンバルの打音や金属パーカッションの刻みが鳴ると、繊細な粒子が上に伸びていくような感触が得られます。赤リングのノズルを装着すると刺激が抑えられてマイルドになりますが、黒リングノズルに変えると高域のアタックがさらに強まり、曲によっては少々スパイシーさが目立つようになります。 音の分離と細部の描写力については、1万円台前半の1DD機として抜き出た立ち位置にあります。パートが入り組むサビでも音が団子状に潰れず、それぞれの楽器の場所がハッキリ把握できます。同じ価格帯の定番機であるMoondrop Aria 2(実売約12,000円)が全体を優しく包み込む穏やかな鳴り方をするのに対して、EA500は一音一音の輪郭を明瞭に際立たせるスタイルで、ハッキリとした違いがあります。 ネジ式の交換ノズルは、ノズル内部のフィルタースプリング構造によって周波数特性を物理的に変化させる仕組みです。赤ノズルはHarmanターゲットに沿ったまとまりの良い音調で、黒ノズルは高域のエア感を前に出す設定になっています。道具を使わずに手で回すだけで音調を調整できるギミックは、自分の好みに合わせた追い込みがしやすく重宝します。 鏡面仕上げの合金シェルは光沢があり目立ちますが、表面に指紋がつきやすい点はあらかじめ知っておく必要があります。シェル自体のカーブが耳の窪みに収まりやすいため、重量のわりに装着時の安定感は悪くありません。小さなベント穴が配置されている関係で外の音がわずかに侵入するため、遮音性は極端に高くなく標準的なレベルにとどまります。また、個体差かもしれませんが重量のせいかプラプラとぶら下げているとケーブルから脱落します。外で聴いてた時に一度落として紛失しかけたので、注意したほうがいいかもしれません。 総評: EA500は、1万円台前半という手に取りやすい価格でありながら、ハッキリとした音の輪郭と高い解像感を楽しめる非常に満足度の高い一機です。後発のEA1000 Fermatへと引き継がれるSIMGOTらしい透明感あふれる音作りの基礎がこの時点で完成しており、今なお低価格1DDの基準として存在感を持っています。高域の鋭さが気になる方は付属の赤ノズルを選ぶことでバランス良くまとまりますので、切れ味のあるクリアな音を求めている方は候補に入れてみてください。
— Gadgetal編集部
スペックSPECIFICATIONS
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