beyerdynamic DT 30 IE
リンクの他に違うバージョンがある場合がございます。スペックの違いにご注意ください。
概要DETAIL
DT 30 IE は、超軽量な設計ながら、プロフェッショナルが求めるバランスの取れたサウンドと、過酷なステージに耐えるタフネスを見事に融合させました。 エルゴノミックデザインを採用したコンパクトなイヤピースは耳にぴったりと収まり、激しい動きでもしっかりとフィットします。beyerdynamicのエンジニアによりチューニングされた、クリアなモニタリングミックスは、ディテールにこだわり、最高のパフォーマンスを追求するミュージシャンに最適なインイヤーモニターです。
長所
- +beyerdynamic製の11mm単一DDならではの、帯域のなめらかなつながり
- +楕円形ノズルと整形可能イヤーフックによる、耳の形を選ばない安定フィット
- +beyerdynamic機として高音は程よい明るさに留まり、長時間使用でも刺さりが出にくい
短所
- -ケーブルのラバージャケットが硬く、日常使いで衣服へのひっかかりが気になる
- -音場が凝縮気味で、没入感や広がりを重視するリスニングには向かない
- -音色の個性は薄く、ボーカルや弦の表情をニュアンスごと楽しみたいリスナーには淡泊に映る
総合レビューREVIEW
DT 30 IEは、beyerdynamicが手掛けるDT IEシリーズのエントリーモデルです。同社がインハウスで開発した11mm TESLA.11ダイナミックドライバーを単一搭載し、マルチドライバー構成を避けることで帯域の一貫したつながりを優先しています。ステージモニターとしての実用を主眼に設計されており、IP54の防塵防水認証、ケブラー強化ケーブル、MMCXによる着脱式設計など、プロフェッショナルな運用環境に耐える仕様を備えています。シェルは白い半透明素材のコンパクトなデザインで、付属品にはハードキャリングケース、シリコンおよびフォームイヤーチップ各3サイズ、交換用ワックスフィルターが含まれます。 音については、最初の数分で感じるのは「意外にサブベースがある」という印象です。ステージモニター的な外見から無味乾燥なフラット寄りを予想していると、低域の底面に思ったより重みがあることに気づきます。キックドラムの打音は立ち上がりが速く短く切れ、ベースラインが重なっても音が潰れません。盛って演出するタイプではなく、あくまで音楽の底を支えるコントロールされた量感です。 高音についてはbeyerdynamicらしい輝きがあり、シンバルの倍音の輝き方や金物の質感は出ています。ただ同ブランドの過去の機種が持っていたような尖った刺さりには至らず、長時間聴いても疲弊感が出にくい。ボーカルの子音も、高いボリュームで聴いても痛みになる手前で整えられています。これはブランド内で比較したときのこの機種の個性と言えます。 一方で中域は、率直に言えばあっさりしています。ボーカルも弦楽器も輪郭はしっかり出ますが、音色に暖かみや色気を足すような音作りではなく、Sennheiser IE 200のようにアコースティックギターやピアノに表情をつけて聴かせる方向性とは対極です。同じ単一DDでも、ここでキャラクターがハッキリ分かれます。音場も広がりを演出する設計ではなく、各楽器の位置が掴みやすい直接的な定位が優先されています。ジャズトリオや弦四重奏を聴くと、楽器の位置関係はよく分かる半面、空間に広がる余韻は薄い。モニター的な誠実さの代償です。 パッシブ遮音はかなり優秀で、適切なチップが合えば地下鉄の中でも中音量で十分聴けます。IP54認証もあり、汗や雨の心配が少ないのはステージ外でも実用的です。 気になる点はケーブルです。耐久性は申し分ないのですが、ラバージャケットが硬く、胸元を通すと衣服への摩擦でケーブルの擦れ音が耳に伝わってきます。ステージ上で固定運用する分には問題ないですが、日常の通勤や街歩きで使うときにはここが唯一、じわじわ気になってきます。 総評: DT 30 IEは、音楽的な感動を煽る機種ではありません。ステージ上で長時間フィットし続け、帯域のつながりが良く、耳が疲れない音を出す、という明確な目的のために設計された機種です。その目的においては、この価格帯でひとつの答えを出していると思います。ただし、音の豊かさや感情表現を重視するリスナーには淡泊に映るはずで、そういう聴き方が主ならば同価格帯の別の選択肢を探した方が後悔しないかもしれません。個人的には、この実用的なストイックさには好感を持ちました。
— Gadgetal編集部
スペックSPECIFICATIONS
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